文字よりも古い蜜月「ファブリックとフォークロア」

Posted by admin on 01 2月 2009 at 06:04 pm | Tagged as: Poetry&Philosophy

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私がファブリックに魅了される最大の理由、それは布に託されたコミュニケーション(表現と対話)の役割りにあります。
単にコミュニケーションといっても、それは人と人との間に限られたものではありません。
シベリアからアメリカに移り住んできたモンゴロイドたちは、精霊や動物とのコミュニケーションをはかるために布に紋様を刻んだかもしれませんし、アジア中南部の少数民族の人達も、大いなる運命の手の中で、一族の存続と繁栄を願って精緻な刺繍を編み込んでいったかもしれません。
パピルスが発明されるより以前、 一握りの支配層が「文字」という著しく洗練されシステム化された紋様を使って他の民族を文化的に単一支配していく時代よりもっとまえ。
ファブリックの成り立ちには、商業手段や趣味趣向とは別次元の、根源的な願いが重ねられていたのではないかと感じています。
自然との調和の中で、家族の平和と安全を望みながら暮らす人達の祈りと愛情が、鮮やかな紋様となって織られ染められ表現されてきて、そんな歴史の積み重ねの上に現在の私たちのファブリックは存在している、そう考えるのはロマンチックすぎるでしょうか。
グローバル化された大量生産大量消費の時代に生まれて来た私達も、永い年月を経て紡ぎだされてきたファブリックの本質に立ち戻ることで、現在の生活様式の中に本質的な意味を再発見していけるかもしれません。

Uzura(上の図案)
陰陽モチーフから生まれたシンボリックなウズラの親子の図案。
外の白い世界が親ウズラを通して鏡あわせのような似姿の子ウズラに流れ込み親子の図を形成しています。外界には樹木と羽のような葉っぱがあり、自然界や物質世界を意味しています。子ウズラはピースマークのような足で、真善美を求めてこの世界に立っています。そこには西洋の三位一体と東洋の曼荼羅的な宇宙観が同時に描かれています。

10.March.2008 AritaMasafumi


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